空き家対策をしませんか?解体工事する前にチェックする6つのポイント
近年ワイドショーなどでもよく見る空き家に関わるニュース。
空き家を放置しておくことで様々なトラブルが発生します。
そんな空き家によるトラブルを避けるためにも、所有している空き家の早期対策をとることが必要です。
Contents
空き家対策になる5つ手法について
空き家の対策は大きく分けて下記の5つの方法があります。
一定期間管理する
リフォームする
賃貸する
売却する
解体工事をして更地にする
もし数年後移住する予定や人に貸す予定がある場合は上から3つの方法も視野に入れることが出来ます。
しかし住む予定や賃貸を考えていない空き家は、売却か解体の決断をする必要があります。空き家を長期間放置出来ないため、何らかの対応をしようと考えた時は、それぞれの特徴を知ったうえで判断することが重要です。実際に空き家を解体工事することにした場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
空き家解体のメリット
所有している空き家に将来住む予定がなく、賃貸の手間をかける時間の余裕がない場合、空き家を解体工事するという解決方法があげられます。解体工事した場合にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
空き家被害のリスクがなくなる
解体工事をして土地を更地にした場合、建物の倒壊による近隣住民への被害や、建物への侵入者による犯罪のリスクをなくすことが出来ます。
空き家を管理する手間がなくなる
日本の住居は木造が多く、人が住まなくなり定期的に手入れをしなくなると急速に老化します。その為ご自身で定期的な管理を行うか、代行サービスを利用して建物の定期的な手入れをする必要があります。
数年後に住む予定がなければ、管理する費用も時間が経つ程かかります。解体工事で更地にすることで、空き家を管理する手間と管理にかかる費用がなくなります。
土地が売れ易くなる
日本では新築に住みたいという需要が多いため、更地のほうが買い手が付き易い傾向にあります。建物を解体工事せずに売ることも可能ですが、建物や庭木がある状態だと買い手が土地を見た時、広さやどんな家を建てようかという想像がつきづらくなります。
更地の状態であれば、2階建ての家を何坪で建てて、庭に子供の遊ぶスペースを作って・・・と具体的な想像が出来るため買い手が付き易くなります。そのため古い建物が建っている土地よりも、すぐに新築を建てることが出来る更地になった土地の需要が多いのです。
全体の流れと3つの売却方法 (古家付き土地の売却事例)
活用の幅が広がる
建物がある状態だと空き家を活用する方法しかありませんが、解体工事をして更地にした後は駐車場や発電プラント等の様々な形での活用が可能になります。
譲渡所得の特別控除が適用される
平成28年の税制改正により、一定の要件を満たした空き家を期間内に解体工事して譲渡した場合、譲渡所得税が大幅に減額されることになりました。
売却をする事で近隣住民にリスクのある空き家を減少させる事を目的に、相続した空き家を耐震工事又は解体工事して譲渡した際に、要件を満たしていれば3,000万円が特別控除されます。
昭和56年5月31日以前に建築された建物である等、特別控除のためにはいくつかの項目を満たしている必要があるため、詳しい内容については国土交通省のホームページをご参照下さい。
国土交通省による空き家抑制のための特別措置
空き家解体のデメリット
解体工事をした後に後悔することの無いよう、空き家の工事を行う前に必ず知っておきたいデメリットに関してご説明します。
解体費用がかかる
空き家を解体工事するデメリットの一つは、空き家の管理や賃貸にはかからない解体費用がかかることです。一度にまとまったお金が必要になるため、解体工事に踏み切るか迷われる大きな理由の一つです。
空き家を解体工事する場合は、地域によって助成金・補助金が出るケースがあります。助成金制度の有無や、助成金の内容・対象となる空き家は各自治体ごとで異なります。
ご自身が空き家を所有されている地域に助成・補助金制度があるかどうかは、「解体+補助金+市区町村名」「解体+助成金+市区町村名」で検索をかけると、助成・補助制度がある場合は表示される可能性が高いです。出てこない場合は自治体の方に「空き家の解体工事を検討していますが、助成制度や補助金制度はありますか?」と直接聞くことも方法の一つです。
固定資産税が上がる
住宅用の建物が建っている土地は、土地にかかる固定資産税を1/6~1/3に軽減されています。空き家を解体工事して更地にした場合、固定資産税の軽減がなくなるため税金が上がってしまいます。
税金が大幅に上がるなら空き家をそのままにしておきたい所ですが、前述でご説明した通り「特定空き家」に指定され「勧告」を受けた場合は、減税の特例が適用されなくなります。特定空き家に指定されると、建物を解体したのと同様に税金があがってしまうということです。
一律には判断出来ない!空き家の解体工事にかかる費用
空き家の解体工事を視野に入れた場合、一番気になるのが解体費用です。空き家の解体工事では自治体や建物の条件によって助成金がでるケースもありますが、全ての地域で助成金が出る訳ではないので空き家の解体費用の相場を知っていおきたいところです。
空き家の解体費用は建物の条件だけではなく、立地によっても大きく変化します。例えば同じ条件の建物でも、一方の建物は通路が狭く重機の搬出入が出来なかった場合、その分工事期間が増えて費用が多くかかるというケースもあります。その為一例にはなりますが、解体費用の算出方法をご紹介します。
解体費用の算出方法
解体工事の費用の相場は、建物の構造別に坪単価で算出されています。一般的な家屋の解体費用の大幅な相場としては下記の通りです。木造の家屋は重機の使用が少なく、廃棄物にかかる金額も抑えられるため、鉄筋やRCに比べて安い費用で解体できるケースが多いです。
・木造家屋解体相場 1.8万円~4.0万円
・鉄骨家屋解体相場 2.5万円~4.5万円
・RC家屋解体相場 2.5万円~6.0万円
しかし解体工事は建物の構造以外にも、立地条件・大きさ・処分品・地中埋設物の有無等によって大きく変わります。そのため現地に行って立地や建物等を確認しないと正確な見積もりを算出することは出来ません。主に解体費用にかかる内容は養生費・解体費・重機運転費・人件費・廃棄物処分費・事務処理費です。
実際に現地調査に行くことで、条件を踏まえて細かく何に幾ら掛かるか解体費用の見積もりを出すことが出来ます。そのため解体をご検討されている場合は坪単価の相場だけで判断するのではなく、実際に現地調査の上見積もりを貰った上で判断することをお勧めします。
まとめ
空き家対策特別措置法の施行によって、特定空き家に指定された場合は固定資産税が増額され、段階を経たあと最終的な命令に従わない場合は強制解体が行われます。
空き家調査には一定の時間が掛かるため、すぐに特定空き家に指定される訳ではありませんが、空き家を長期間そのままにすることは近隣住民へ被害が及ぶ可能性があり、大きなリスクを伴います。
うちは大丈夫だろうと思っていたら行政から通知がきてしまった・・ということを避ける為にも、空き家対策の種類とそれぞれのメリット・デメリットを知った上で対策を選ぶことが重要です。空き家対策特別措置法の施行に関わらず地域住民の安全を守りご自身のリスクを回避するためにも、早期の空き家対策が求められています。